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【普及センターだより】堆肥は土づくりの重要な手段! 2007. 11.13
土を柔らかく・ふっくらに

今回の担当
西多摩農業改良普及センター
山谷勝宣さん
 
 作物にとって「良い土」とは、水分、空気、養分などを適度に保持し、それらを供給するとともに、外部から加えられる降雨や乾燥、温度の変化などの影響を和らげる緩衝機能に優れている土です。こうした「良い土」の機能を維持・増進するうえで有機物は重要な働きを担っていますが、土の中で微生物によって分解され、農耕地では耕耘の影響もあって有機物の消耗が大きくなります。そのため、人為的な有機物の補給が必要となり、家畜ふんや作物残渣などの有機物を堆肥化して、「土づくり」に利用していくことが重要です。
堆肥のイメージ画像
【堆肥のすばらしい効果】

1.土の団粒化を促す
 
 土は、土の本体部分(固相)、水分部分(液相)、土中に含まれる空気(気相)の三相からできていて、三相の割合が、土の善し悪しを決め、作物の生長を左右します。この土の三相分布は一定ではなく、耕作前と収穫後では大きな差があります。この差を小さくするには、堆肥など有機物を施して、土の団粒化(土の粒子が集まってだんご状になる)を安定させます。
 
 堆肥などの有機物を施すと、土中の微生物がそれを分解します。その分解は土粒と土粒を結びつける働きがあり、土を団粒化し、団粒と団粒が結合して、さらに大きな団粒になります。団粒化された土は、大きなすきまと小さなすきまを適度に含み、通気性、保水性、排水性ともに優れています。そのうえ保肥力もよいので、作物の根がよく発達します。

団粒構造の土、単粒構造の土のイメージ画像

2.土壌微生物を増やし、肥料効果を高める
 
 有機物は微生物の活動エネルギーになり、その数を大きく増やし多様にさせます。この微生物によって分解された窒素やリン酸などの元素は、作物に有効に働きます。また、吸収されずに余った養分は、微生物が吸収することで一時的に貯蔵されます。さらに、腐植(有機物が分解されたもの)の多い土は、肥料をやりすぎても肥あたりを和らげる働きもあります。
 
3.作物の養分供給源
 
堆肥のもつ肥料成分量は、堆肥化資材の種類によって異なりますが、家畜ふん堆肥では、多いのは鶏ふん>豚ぷん>牛ふんの順となり、牛ふんは地力培養向き、豚ぷんや鶏ふんは肥料向きといえます。

培養、肥料イラスト
【地域の家畜ふん堆肥を利用しましょう】

 管内の瑞穂町には畜産農家が多く存在し、家畜排せつ物を貴重な有機質資源として堆肥化しています。健康な土づくりを進めるには、畜産農家で生産された堆肥が、農作業や周辺環境に支障がないこと、土壌や作物に障害を与えないことが最も大事なことです。
 
 このためには、好気性微生物の働きにより、家畜ふんの臭気物質など分解し易い有機物を分解し、成分の安定化を図るとともに、分解の過程で発生する60〜70℃程度の高温によって雑草の種子や病原菌、寄生虫などを死滅させる発酵処理が必要です。
 
 この発酵処理によって生産された堆肥は、水分がおおむね40〜60%程度で、ふん臭を発しない、取り扱い易いものに変化しています。このような堆肥を作ることが堆肥化の目的であり、堆肥の利用促進につながっていくことになります。
 
 家畜ふん堆肥は、土づくり効果と肥料としての効果の両方を持っており、土壌や作物に対するさまざまな効果が期待できます。家畜ふん堆肥の特徴を知り、目的にあった家畜ふん堆肥を利用しましょう。

土づくり効果、肥料の画像
 堆肥を使う目的と使用する堆肥の個性をつかんで、地域の堆肥を上手に使って、土づくりを進めましょう。

【お問い合わせ先】

西多摩農業改良普及センター TEL:0428-31-2374
山谷勝宣まで
山谷勝宣さん


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