1.土の団粒化を促す
土は、土の本体部分(固相)、水分部分(液相)、土中に含まれる空気(気相)の三相からできていて、三相の割合が、土の善し悪しを決め、作物の生長を左右します。この土の三相分布は一定ではなく、耕作前と収穫後では大きな差があります。この差を小さくするには、堆肥など有機物を施して、土の団粒化(土の粒子が集まってだんご状になる)を安定させます。
堆肥などの有機物を施すと、土中の微生物がそれを分解します。その分解は土粒と土粒を結びつける働きがあり、土を団粒化し、団粒と団粒が結合して、さらに大きな団粒になります。団粒化された土は、大きなすきまと小さなすきまを適度に含み、通気性、保水性、排水性ともに優れています。そのうえ保肥力もよいので、作物の根がよく発達します。
2.土壌微生物を増やし、肥料効果を高める
有機物は微生物の活動エネルギーになり、その数を大きく増やし多様にさせます。この微生物によって分解された窒素やリン酸などの元素は、作物に有効に働きます。また、吸収されずに余った養分は、微生物が吸収することで一時的に貯蔵されます。さらに、腐植(有機物が分解されたもの)の多い土は、肥料をやりすぎても肥あたりを和らげる働きもあります。
3.作物の養分供給源
堆肥のもつ肥料成分量は、堆肥化資材の種類によって異なりますが、家畜ふん堆肥では、多いのは鶏ふん>豚ぷん>牛ふんの順となり、牛ふんは地力培養向き、豚ぷんや鶏ふんは肥料向きといえます。
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